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Volleyball Boys 《ハイキュー!!》

第34章  迷子の恋心《白布 賢二郎》




~オマケの1コマ~


【NO side】


バタバタと蒼井と白布が出ていった直後、瀬見が戻ってきた。

「英太クン、お帰り~」

「おう。あれ、蒼井と白布は?」

「カケオチ」

真顔で天童が放った一言に、五色がブフォッとサイダーを吹き出した。そしてそれは、向かいの天童に全てかかる。

「工…お前なぁ…」

「天童さんッ、スミマセンッ!」

「天童、ティッシュ」

淡々とティッシュでサイダーを拭く牛島。それから一段落して、座り直して、もう一度瀬見は同じことを問うた。

「で、あいつらどこ行ったんだよ」

「分からん。ただ蒼井は何か覚悟を決めたような表情をしていたが」

「ほぉかぁ」

牛島からの返答に、パリポリとポテチをつまみながら、瀬見が呟く。その表情に何を見たか、にニヤニヤしながら天童が訊く。

「英太クン知ってるの?」

「いつまでも気付かないでうじうじしている蒼井の背中を押してやった」

「な~るほど」

天童のニヤニヤがますます深くなる。?を浮かべる五色とは対照に、牛島はやはり淡々と月バリのページを捲っている。

「英太クン、蒼井のこと好きだった?」

「あぁ」

「へぇ、コクったの?」

「あぁ」

「告白したんですかッ!?」

くわっと噛み付いたのは五色。興味津々の後輩に、瀬見は苦笑しながら言った。

「まぁな。フラれたけど」

「フラれたんですかッ!?」

「蒼井、白布が好きなの見え見え」

「はぁ…俺には全然分かんないです」

「恋愛もいいけど、工はとりあえずクロスを打てるようになろうねぇ」

「ぐっ…」

「そんなことより、若利クンの色恋沙汰ってついぞ聞かないよねぇ。なんかない?」

「ダメだ天童。若利の恋人はバレーだろ」

「さいですな」

そうこうしているうちに、蒼井と白布が戻る。

「あー、戻ってきた!蒼井、白布と付き合うの?もうキスした?その先は?」

『っ、やかましいわ、天童っ!』

蒼井が天童を怒鳴り、それに白布が爆笑。瀬見も笑い、五色は"キス"という単語で灰と化し、牛島はスルー。

バレーから離れれば、彼らはもはやどこにでもいる普通の高校生。勉強に励みつつ、恋も楽しむのだった。




              今度こそEND.
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