第32章 ★男前な彼《岩泉 一》

蒼井の唇は思っていたよりも柔らかくてふにふにしてて、俺は一瞬でその感触の虜になった。ただ唇と唇とがくっついてるだけ、なのに気持ちいい。

『んっ…ふ、ぅ…ぁ、いわ、ずみ…』

キスの最中に甘い吐息と共に蒼井が俺を呼んだ。一旦キスを止めて唇のくっつくギリギリのところで言う。

「るせぇ、黙ってろ…」

『や、んぅ…ふぁ、っん…』

奥に逃げる蒼井の舌を追いかけて俺のと絡めれば、蕩けるような甘い声が蒼井から漏れる。

蒼井の上に乗り、着せていたジャージのチャックを下げる。と、柔らかな膨らみが２つ、ふるりと零れ出た。

『あ…』

「ブラ、着けてなかったのか？」

『だって、１回着たやつもっかいとか、なんかやなんだもん』

「ふーん。ま、好都合だけどな」

蒼井の胸を手で包むと、手のひらにちょうどフィットするサイズ。フロ上がりだからか、白い肌はしっとりとしている。やわやわと揉みながら頂きに舌を這わせれば、ぷっくりと膨らみ主張しだす。

「蒼井、感じてる？」

『あっ、や…ん、いわっ…ぁあ、ふ…』

「下も、触るな…？」

『ん…っ』

目に真珠のような涙を湛えてこくこくと頷く蒼井。ジャージの下も脱がし、蒼井のそこに手を宛てる。薄い茂みの奥は、触れれば水音がするくらいに濡れていた。

溢れた液を塗り付けるようにこすれば、その度に蒼井の腰が跳ね、新しい液が溢れてくる。中に指を挿れ、動かしてやれば、うわ言のように蒼井は俺の名前を呼ぶ。それだけで反応する俺の息子は、いったいバカなのか。

『いわぃずみっ、も、イっ…っん、あっ』

「"岩泉"って長いから名前で呼べ」

『っあ、ん、は、じめぇ…ふぁ、あ』

「ヤバ…すげ、エロい…」

ナカから指を引き抜けば、つぅと糸を引いた。俺ももうそろ、我慢の限界だ。

『はじめ…も、ちょおだい…？』

「～っ///」

不意打ちで蒼井に言われれば、分かりやすいくらいに顔が熱くなる。まさかそっちから言うとは。

『アイツの感触、忘れたい、から…』

その一言で完全にスイッチが入る。ふつふつと沸き上がりそうになる怒りを抑え、避妊具を被せた自身を宛がう。そしてゆっくりと挿入を開始した。