Volleyball Boys 《ハイキュー!!》
第4章 ★クリームよりも甘く《花巻 貴大》
【花巻 side】
授業が終わり、放課後。いつものように部活に行こうとしたら、誰かに呼び止められた。
「マッキー!」
「及川、岩泉に松川も」
いつものバレー部4人が集まる。
「今日は体育館の点検なんだって。さっき教えられたー」
せっかく荷物いっぱい持ってきたのにぃ、と及川がぶーたれる。体育館の点検、っつーことは、部活が休み。毎週月曜の休みだけでも良いのにな、と思った。
「んじゃ、帰るか」
岩泉の声に、ぞろぞろと玄関に向かう。玄関に向かう途中、及川がノロケ出したので、全員でスルーした。
くつを履き替えながら、及川が呟いた。
「ねぇ、校門の所、美人なお姉さんがいるよ。分かった、及川さんに会いに来て…」
「ねーよ、クソがッ!」
ドガッ、と音をたて、及川の脳天に岩泉の拳骨が炸裂した。おお、痛そう。
校門に向かいながら、あの人は誰だろうとあれこれ考える。俺は彼女を知っているので、なんだか面白かった。
白いフレアスカートに、ミントグリーンのカーディガンを羽織った彼女は、遠目でも分かるくらいの美人だった。
やがて、彼女は俺らに向かって手を振った。うわ、やべェ、顔がニヤける。
「花、お前顔どうした?」
「あ、やっぱり?」
松川に指摘される。自分でも分かるくらい顔が弛んでいる。
両手をぶんぶん振り、ついでに愛嬌も振り撒く彼女。あー、かーわい。