Volleyball Boys 《ハイキュー!!》
第2章 ☆俺にくださいッ!《西谷 夕》
狼狽える私をよそに、2人は会話を続けた。
「小さい頃からずっといて、俺には海宙がいないのなんて想像できません。絶対幸せにします。だから…」
【夕君なら安心ね。あの子、じゃじゃ馬娘だし、乗りこなすの大変だと思うけど…】
『じゃじゃ馬って何!?』
軽くお母さんにつっこむ。
【根は優しいしいい子だから。よろしくね】
「はい、お任せください!」
そう言うと、夕はスマホを耳から離し、通話を終了させた。くるりと私を振り向くと、はにかむようにふにゃっと笑った。少し赤くなってポリポリと頬を掻く。
「そーゆーことだから、よろしくな!」
『うんっ、こちらこそよろしくね、夕!』
そんなわけで私たち、付き合うことになりました。その夜は久し振りに、2人で一緒に寝ることになった。
夕の部屋に入る。ごちゃっと洗濯物が積まれてて、机の上には開いただけの学校のワークが置かれている。ベストリベロ賞をとったときの記念品なんかも棚に置かれている。
夕は私が部屋をうろうろしている内に、さっさとベッドに入っていた。
「海宙」
『なぁに?』
「ん、おいで?」
横向きになって寝転がる夕。自分の隣をぽむぽむっと叩く。私はいそいそと布団に潜り、夕を正面から見詰める。
夕の胸にすり寄ると、右耳からどくんどくんと彼の心音が伝わる。
「海宙は、あったかいな」
『夕も、だよ?』
夕はそうだな、微笑んだ。
「海宙」
『ん?』
「大好き」
『っ///』
不意打ち反則だよ!夕の胸に顔を埋めて言うと、ぎゅうっと抱きしめられる。
ものすごく、幸せだ。
私は夕の胸に頭を預け、夕は私を抱いて、深い眠りへと落ちていった。