Volleyball Boys 《ハイキュー!!》
第11章 七夕lovers《チーム烏野》
~七夕:澤村大地の場合~
【澤村 side】
今日は年に1度の七夕。だが、烏野高校バレー部はそんなの関係なく、部活だ。
くたくたになって終わり、玄関に向かうと、そこには大きな笹が飾られていた。
「うぉー、七夕っぽいな!」
「短冊あるぞ、みんなで書くべ!」
旭とスガが見付け、みんなに声を掛ける。既に幾つか短冊が飾られており、それぞれに願い事を書いてある。
青色の短冊を選び、置いてある油性ペンで願い事を書く。悩む前に、頭にポンと浮かんだことを書いた。
「大地はなんて書いたんだ?」
ひょっこりスガが覗いてきたから、ニッと笑って短冊を見せた。
「勿論、"春高優勝!"だろ」
「だよな!」
たこ糸で笹に括り付ければ完成。他のやつらのをこっそり見ると、どいつもこいつも、バレーのことばっかりだ。
"ウシワカたおして全国行く!"
これは日向。たおして、がひらがなだった。
"及川さんに勝つ!"
分かりやすい、影山だな。
"みんなで春高、全国へ!"
これはスガのやつ。
"緊張しませんように"
旭、深刻なやつやめとけ…
ふと、テーブルに目を遣ると、マネージャーの3人が書いているところだった。お互いに見せ合い、楽しそうだ。
ちょうど蒼井が笹に飾るところだったので、何を書いたのか訊いてみた。
「蒼井、何を書いたんだ?」
『だっ、大地さんはダメです!』
飾ろうとしていた短冊を即座に後ろに隠した。挙動不審だし、明らかに怪しい。そこまで隠されると、逆に好奇心をくすぐられる。
「ちょっとだけ、な、いいだろ?」
『ダメです、絶っっっ対にです!』
そこまで言われると、本当に気になる。クルリと後ろを向いた蒼井の手から、さっと短冊を盗った。
『あぁっ!?』
「どれどれ…?」
書いてあったのは、驚くべき内容だった。
"大地さんの隣にいられますように"