Volleyball Boys 《ハイキュー!!》
第8章 ★忠犬リエーフ《灰羽 リエーフ》
おまけの1コマ。
【灰羽 side】
ピピピピ…という無機質な音で目が覚める。彼女のセットした目覚まし時計。時刻は午前7時。それを止め、腕の中に目を落とす。
そこには、すやすやと眠る海宙さんが。あの後もう2回程ヤったら、気を失ってしまった。
最後の方、声がかれちゃってたし、悪いことしたなぁと罪悪感に襲われる。
でも…
「煽るから悪いんだからな…」
ぽつりと呟き、彼女の髪を撫でる。細くしなやかなそれは、スルリと指の間をすり抜ける。指先に絡めて遊ぶと、ほどけ、シーツの上にパサリと落ちた。
白肌にちゅっと、吸い付いてみる。くすぐったそうに身動ぎ、ふふと笑った。
「海宙、朝だよー」
『んん、あと5分………すぅ…』
寝るの早っ!?
ほっとかれると、困るんだけど!?
「えっちょっ、起きてよー!海宙!」
『うっさいぃ…頭いた…腰が…』
うっさいと言いつつ、むくりと起き上がった彼女は腰をさすった。
「腰、痛い?」
『おかげさまで。今日バイト抜いといて良かった。絶対仕事にならないもん』
たはーと笑うと、アンタのせいよ、と朝からお腹をどつかれた。
「海宙」
『何、リエーフ』
「おはようのちゅーは?」
『…っ///』
昨日わかったこと。海宙は不意打ちに弱いらしい。その証拠に、真っ赤だ。無言で俺の唇に優しい優しいキスを落とす彼女。
「あーもう、大好き!」
『私も、大好き』
抱きしめれば、返される言の葉。腕の中で彼女はニヤリと笑い、俺にこう告げた。
『リエーフ、朝ご飯抜きね』
「えぇっ!?ひどいっスよー!」
『当然。私の言うこと聞かなかったもん。やめてって言ったのに』
「そんなの言ってた…?」
『とにかくっ、無しだからねー』
着替えを抱えてとっとと出ていこうとする彼女。俺は慌ててその後を追った。
もしかすると、
俺は彼女に従順な、
犬なのかな?
でも、
俺の腕の中だけで、
あんなにしおらしくなっちゃうんだ。
俺の海宙は、
世界1、最っ高にかわいいんだもんな。
むふふと笑うと、気持ち悪いと脛を蹴っ飛ばされた。それでも、笑ってられるからいいやと思う俺は、たぶん彼女に堕ちているんだろうな。
今度こそEND.