第1章 はじまり
「何笑ってん だ/でィ」
見事にハモり、二人はお互いを睨み合う。
二人を見ていたは、やっぱり仲良いんだ、と思った。
「こういうご飯、初めてなんです。
楽しいなぁと思って」
笑顔で続けるに、二人はなんとも言えない顔をした。
「こういうご飯」が「初めて」ってどういう事だ?
ただ家族で静かにメシを食うのが決まりなのか、
または親が居ないのか。
それとも・・・
土方は頭をフル回転させたが、出てくるのは悪い考えだけ。
ちらりと沖田を見やると、沖田も複雑な顔をしていた。
空気を読んだのか、読んでないのか。
は話題を変えた。
「しかし、今日はじめじめしていて暑いですね」
腕まくりをして、パタパタと胸元をあおぐ。
そんなになぜか照れながら、朝食を黙々と食べた。
「旨かった」
「また作って下せェ」
何分か経ったあと、二人は食べ終わり、しっかり皿を洗って去って言った。
「じゃ、後で近藤さんの所で話聞くからな。
纏めとけよ」
そう言い残して。
「忘れてた・・・」