第1章 はじまり
「と、とと取り敢えず起こす・・・か?
いやでも、気持ち良さそうに寝てるからなぁ・・・」
少し様子を見てからにしよう。
その考えに辿り着き、は男の隣に座った。
「すー・・・死んで・・・下せェ・・・すー・・・土・・・方さ・・・ん」
ちょいちょい物騒なこと言っているけど、まぁ幸せそうだからいいか。
それにしても、
は男の顔をまじまじと見た。
「可愛い顔だなぁ・・・。男の人だよね・・・多分」
瞬間。
「寝込みを襲うたァいい度胸だねィ。
だが残念だったな。
テメェの首は、後は斬られるだけだぜィ」
「え・・・?」
の首にはキラリと光る銀の金属。
「言え。誰に命令された?」
「え、え⁉」
「早くしろィ」
命令?!いや、完璧勘違いしてるよこの人ォォ‼
「いやいやいやいや‼勘違いです‼私はっ・・・?!」
「10・・・9・・・8・・・」
何のカウントダウン?!
って突っ込んでる場合じゃない‼
「いやだからッ‼命令されたとかでなくてッ‼
あの、」
「・・・4・・・3・・・2・・・」
ああもう駄目だ。
は、目をきつく閉じた。