第49章 life
新幹線の改札を抜けると、待ちに待った笑顔が俺を迎えてくれた。
「ゴメン。待ったよね?」
軽く手を上げながら、近づくと首を横に振って俺の手にそっと触れてくれる。
「ただいま。」
「会えなかった三日間すっごく寂しかった。」
「迎えに来てくれて、ありがとう。」
笑いかければ、恥ずかしそうに肩をすくめて俯く。
「お帰りなさい…」
大きくなったお腹に触れて、今度は念を込めて囁く。
「ただいま。聞こえてるかな?」
不安になりながら、お腹を撫でると
「聞こえてるよ。」
「『お帰りなさい』って言ってるのよね?」
自分のお腹を擦りながら、嬉しそうに微笑んでくれる。
「あっ!あやめさん!」
「お久しぶりです!」
振り返れば、今改札を出たノブが小走りで走って来た。