第44章 admit
「自由…」
頬に触れるとビクッと体が震える。
「自由。いつも傍に居てくれてありがとう。」
「支えてくれて、ありがとう。」
「守ってくれて、ありがとう。」
「私を愛してくれて、ありがとう。」
「自由?」
「私ね。」
「ずっとずっと忘れられない人がいた。」
「何年も何年も…」
「でもね。」
「この前やっと、その人とちゃんと話が出来たの。」
「沢山謝ったし、感謝もした。」
「色んな話をして分かったの。」
「私はもう前に進めるんだって。」
「立ち止まってる訳には行かないって。」
「一人で歩くのは不安だけど…」
「自由?一緒に歩いてくれるかな。」
「うぅん。自由と一緒に歩きたいの。」
「暗闇でも手を繋いで歩けば、何処かに辿り着けるんでしょう?」
「転んでも二人なら起き上がれるのよね?」
「少しずつでも前に進めるのよね?」
「自由。好きよ。」
「これから先も、貴方を愛して良いですか?」