第39章 pounding
「あやめちゃん……!」
「大丈夫?苦しくない?」
「痛いところは?」
「めまいとかする?」
「頭痛は?」
身を乗り出して私の顔を覗き込む。
いきなりの質問攻めに戸惑う。
「ちょっと自由…質問ばっかり…」
慌てっぷりに思わず笑ってしまう。
「あ…ごめん…」
手を差し伸べれば、両手で握り締めてくれる。
握られた指先にキスを落とし、自由は呟く。
「あやめちゃん。」
「俺はあやめちゃんの傍にいたい。」
「力になれる事は、あまり無いかもしれない。」
「それでも」
瞬きをすると涙が零れる。
その涙の跡を、もう片手の指で辿る。
「ありがとう。」