第39章 pounding
瞼を開ければ、目の前に見慣れた寝顔。
「自由…。」
寝返りを打とうとすると片足が落ちる。
あ。ソファーに寝かされてるんだ。
そうだ。
私。
また…
記憶を辿れば、胸が苦しくなる。
もう出ないと思ったんだけどな。
瞼を閉じて、大きく息を吸い込む。
体が落ちないように、体を横に向け起こさないように髪に触れる。
床に座り、ソファーに腕を付き頬を乗せて眠り込む自由。
「自由…。」
頬に触れると少し汗ばんでいる。
「自由?」
「こんな所で寝てたら風邪引いちゃうよ?」
頬に掛かる髪を耳に掛ける。
「自由?」
「ん…」