第29章 constellation
「私は、良平がいてくれればそれだけで良いの。」
俺の頬に触れて、愛おしそうに見つめる。
「仕事なんて、認められなくても良平が私を見ててくれれば良いの。」
「良平?ずっとそばにいさせて…」
「私を暗闇から助け出してくれたのは、良平なんだから。」
「私にとって、アナタは暗闇の中で輝く星と同じ…」
視線を外せば、無数の星たち。
あやめにとって、俺は星じゃなくて深い闇なんじゃないか。
そう思えて仕方ない。
輝く星々を眺めながら、あやめの髪を撫でる。
「良平?」
「ん?」
「どうしたの?」
「うぅん。何でも無いよ。」
ニコッと笑って、再び星を見つめた。