第26章 key
打ち上げが終わると、同時に
「明日、早いのでお先に失礼します。」
脱兎の如く店を出る。
少し離れた店の地図とHPのURLを貼り付け、先程教えて貰ったメールに送信する。
「あやめちゃん!こっちこっち!」
軽く手を上げると、カノジョは嬉しそうに手を振りながら小走りでやって来る。
肩を上下させながら、息を整える姿を見下ろす。
「走らせちゃったね…ごめん。」
「うぅん。いいの。」
ニコッと微笑む笑顔に、俺の頬も緩む。
「じゃあ、行こうか。」
そっと肩に手を添えて、軽く押すと少し汗ばんだ肌が俺の掌に吸い付くようだった。