第22章 search
「おはようございます。」
スタジオ入りすると、まだキャストは揃ってないようだ。
台本のチェックをする。
チラッと顔を上げるものの、ノブくんはいない。
………。
はぁ…未練がましい。
再び、手元にある台本に視線を戻す。
「おはようございます!」
あのコが入ってくる。
花柄のワンピースに、かごバッグ。
可愛い系の服がよく似合う。
「月島さん。おはようございます。」
「おはよう。」
「すみません。先輩より後に現場入りなんて…」
肩をすくめて、シュンとする。
「別に時間に遅れた訳じゃないんだから、良いんじゃない?」
「ありがとうございます。」
「あ。そうだ!」
「入野さんって月島さんの彼氏なんですよね?」
「………別にどうだって良いでしょう。」
「えー。怒らないで下さいよ。」
「入野さんと月島さんなら、美男美女だなって思っただけですよ。」
「私も頑張らなくちゃ!」
両手でガッツポーズして、私に笑いかける。