第21章 sigil(裏)
「?」
「あやめちゃん…?何で笑ってるの?」
「もしかして…先にイったから…?」
少し焦る…
まぁ…確かに男としては…如何なもんだよな…
少し…少しだけ落ち込む…
「うぅん。そんなこと無いよ。」
「自由が『好き』って言ってくれて嬉しかった。」
「ただ…その想いには…」
分かってるよ。
あやめちゃんは、俺のこと何とも思ってない。
でも…聞きたくないな。
だから、キミの唇を塞ぐよ。
「んっ」
「言わないで…分かってるから。」
「ただ…これだけは言わせて。」
「俺は、今までもこれからもあやめちゃんが『好き』だよ。」
微笑む事が精一杯の強がり。
「自由…ありがとう。」
「こちらこそ。」
ナカに入っていたモノを引き抜き再び抱きしめ胸元に顔を埋める。
汗ばんだ肌に体の奥に熱が籠もるのを感じる。
「あやめちゃん、ちょっと待っててね。」
床に落ちた下着を履いて、リビングを抜ける。
そして、鼻歌を歌いながら浴室へ。
湯船にお湯を張る。
「あやめちゃんと一緒に入ろ~♪」
寝室のドアを開けて、ベッドに横たわるあやめちゃんの横に座る。
「あやめちゃんお待たせ…って寝ちゃった?」
頬に触れて、声を掛ける。
「ん…」
「起きて?」
「んー…」
「お風呂入ろっか。」
「んーー眠い…」
「だぁめっ。さて。行こうか。」
そう言い終えると同時にベッドからあやめちゃんを抱き上げる。
「え?」
「さぁ。お姫様湯殿へ向かいましょうか?」
額にキスを落とすと、あやめちゃんは恥ずかしいのか俯いていた。