第11章 おれを見つめて
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あの後、トド松くんにイかされつづけた。
何度も好きだと、そう囁いてくれたけれども…
私たちはまだ会ってほんの少ししか経っていない…
そんな考えでいっぱいだった。
みんながわたしを大切に扱ってくれているのは分かっている。
そして、このままうまくいけば6人の王子様と結ばれる。
けれどもわたしはそんなの望んでいなかった。
普通に昔の生活に戻りたかった。
お父さん、お母さんと、村のみんなと和気藹々と
過ごすそんな日々が愛おしく思った。
知らず知らずのうちに、涙がまた袖を濡らしていった。
シャワーでも浴びて、気分を晴らそうと思った。