第7章 童話のような
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『…〇〇……オレだ…〇〇!!』
遠くから私を誰かが呼ぶ声が聞こえた。
「…はっ…はい!?」
目を開けるとそこは自分の部屋だった。
そして、目の前にはカラ松くんがいた。
「か、カラ松くん?私は…なんでここに!?」
たしか、さっきまでおそ松くんと……
カ「あぁ…〇〇が廊下で倒れていたからな。
オレが運んできたのさ。」
「えっ…あ…そ、そうなんだ!ありがとう!」
気づかなかった。
というか、なんで廊下で倒れていたんだろう?
うーんと顎に手を当て考える。
その沈黙を破るように、カラ松くんが口を開いた。
カ「なぁ、〇〇?
…むかし、牧場に住んでいなかったか?」
「えっ……どうして?」
カ「質問したいことがある。そこで8歳のとき、よく
一人の男の子と遊ばなかったか?」
正直その頃の話は思い出したくなかった。
なんせ、私がその貴族の男の子と遊んだから、そのせいで両親は殺された。
………あれ?カラ松くん…なんでそんな細かく知ってるんだろう?
カ「その顔は思い当たる節があるんだな…」
「…うん。その男の子がどこにいるのかはわからないけれど……その男の子と私は一緒にいてはダメな存在らしくって…両親は殺されちゃったんだ…」
あ…まただ…。どうして過去を思い出しただけで泣いてしまうのだろう。
白いドレスにポタポタと水が花を咲かせる。