• テキストサイズ

【イケメン王宮】彼たちの物語

第6章 素肌な彼


ロベールの部屋には
たくさんのキャンパスが並び、
アヤセの絵だけでなく、
他にも同時に
いろいろ描いているようだった。

ふと、一つの絵が
アヤセの目に止まり、思わず顔が綻ぶ。

「かわいい…」

人物画ばかりの中に
愛らしいハリネズミの絵が。

その絵に見入っていると…

「いいでしょ?その絵。」

後ろから声がし、ビックリして
アヤセは振り返る。

「こんにちは♪」

そこには茶髪の男の人が。

「こ、こんにちは…あのあなたは…」

「え?忘れちゃった?
昨日会ったでしょ?」

「昨日…?」

「そ。」

そう言うとその男は
纏っていた服だと思っていたが
実は1枚の大きな布を脱ぎ捨てた。

「きゃっ…!!!」

叫ぶと同時に男がその口を手で塞いだ。

「ごめんごめん、
プリンセスうぶなんだね。」

クスクス笑いながら
落ちた布を腰に巻いた。

「な、なんなんですか…!」

アヤセはそれでも
その男をまっすぐ見ることは出来ず、
顔を赤くさせる。

「それ、俺なんだ。可愛いでしょ?」

「え?…だ、だってこの絵は…」

「だよね。
どうしてかな、プリンセスには
俺のこっちの姿が見えちゃうなんて。」

「てことは、ロベールさんには
見えてないってこと…」

言い終わるか終らないか、扉が開く。

「ごめんね、
アヤセちゃん!」

「ロベールさん…」

「アンバーがどこかに行っちゃってね。」

「アンバー?」

「ああ、
アヤセちゃんの目の前の絵の子。」

「えっこの子!?それならここに…」

振り返るとそこには
絵の通りのハリネズミが。

「ああ、部屋の中にいたんだね。」

ロベールはアンバーに近づくと
そっと抱き上げる。

「あのさっきこの子…」

そう言いかけた瞬間、
聞いたことのないハリネズミの鳴き声が。

(言うなってこと…?)

「さっき?」

「いえ、何でも…」

「そ、じゃあ続き描こうか。」

「あ…はい…。」

ソファに置かれた
アンバーをチラリと見ると、
なんだかウインクされたようだった。



おわり♪
/ 32ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp