第4章 男の娘な彼
「…やっぱり…お前モモだろ…。」
振り向くと怖い顔をしたカインがいた。
「ゲッ!!」
逃げようとするその子の頭をカインが掴む。
ズルッ…
カツラが取れた…。
柔らかそうなアッシュベージュの
髪の毛が出てくる。
その瞬間
『クソッ!』
二人して同じ言葉を言った。
「ぷっ…あははっ」
私は思わず笑い、二人は顔を赤くした。
「おいっモモ!あっプリンセスじゃねぇ方の!」
カインは少し顔を赤くして続ける。
「好きなもんもあるから、早く来いっ。」
「何だよ。」
「リンゴ。」
「まじっ!?行く行く!!
じゃあなプリンセス!!」
そう言ってカインのあとを嬉しそうに
スタスタと着いていった。
私は、似てる二人…なんて思いながら、
微笑ましくその後ろ姿を見送った。
~おわり♪~