第9章 君だけ
泣いてる私を一人にできないからと、澪ちゃんが私の家に来ることになった。
今日は家に親がいないから、幸い私の泣き顔を見せなくて住む。
澪ちゃんを私の部屋に入れると、私は今日見たことを全て話した。
その間、澪ちゃんは静かに話を聞きながら、後から後から流れる私の涙をそっと拭っていた。
私がようやく話し終えると、澪ちゃんは私をそっと抱きしめた。
「バカだね先輩」
「澪ちゃんより頭いいもん…」
「勉強じゃないよ。そういうんじゃなくてさ、バカだよ」
「…」
「僕が、伊織以外に好きな人なんて、出来るわけないでしょ」
「そ、そんなのわからないじゃん…っ」
「えー、どうしたら信じてくれるの?」
「それはわ、からない‥」
「えーww じゃあ〜…んっ!」
「んん?!」
「はーい、やくそくっ!」
いきなりキスをしたかと思うとパッと離してへへっと笑う。
その笑顔を見て、さっきまでの不安がどこかに逃げていった。