第5章 かっこいい姿

ーその後ー



「はぁ…」



「俳優なのに、あんなに言葉出てこないものなの？」



「んや、伊織に言いたいことがありすぎてまとまらなくて…」



「何かのドラマのセリフでも良かったのに」



「それは嫌」



「なんで？」



「もしそれが本心に近い言葉だったとしても、それが他人に作られたセリフには変わりないし。かっこ良くても、綺麗な言葉でも、偽物の言葉で伊織に愛をささやきたくない」



「愛をささやくって…。その言葉が出てくる遊都すごいと思うよ。私恥ずかしくて言えない」



「本当のことだよ？」



「…。うん、わかってるよ。ありがとう」



「ふふ。伊織、好きだよ。愛してる〜〜！」



「うわっ！遊都！くすぐったいよ…！！」












fin