第5章 かっこいい姿
「…、んん…」
次の日、日差しが眩しくて目が覚めた。
鳥の鳴き声がまだはっきりしない脳に心地よく響く。
「んー…、あ!!今何時っ?!?!」
あわてて時計を見ると、もうドラマが始まっている時間。
ベッドから手を伸ばしリモコンをゲット。
急いでテレビをつける。
『つかささんが…好き、なんです…』
『みさきちゃん…』
ヒロインであるみさきが、つかさに告白しているシーンだった。
わぁ、この表情。遊都凄くかっこいいなぁ。
なんて思っていると、私の隣で寝ていた遊都がもそもそと動き出す。
「ん〜?…なぁに見てんの?」
寝ぼけているんだな。
開ききっていない目をゴシゴシとこする。
テレビを見つけると、その開かない目は一瞬でパッチリになった。←
「わぁああああ!ダメッ!!!!」
大きな叫び声とともに私からリモコンを奪い取ると、テレビを消す遊都。
その行動に、ちょっとムッとする。
「あぁ!!今いいところだったのに!みさきちゃんの恋が叶うと思ったのに!いや!叶うところだったのに!!」
返して、返して。と、遊都からリモコンを取り戻そうとするけど、全然返してくれない。