第4章 おそろい
「ねぇ伊織先輩。僕ってそんなに男らしくないかな」
ちょっと自信なさ気に澪が聞いてくる。
「ん?澪はかっこいいよ。でも、可愛い澪ちゃんも私、凄く好きなの」
そう言うと澪は、ビックリしたあとにふっと微笑んだ。
「そっか…じゃあ…」
澪ちゃんはバッテンにしてあるピンク色のピンをひとつだけ外して、私の髪にサッとつける。
「これ。おそろいにしてくれるなら"澪ちゃん"って呼ぶの、許してあげる」
「え、でもピンクなんて私ー…」
似合わない。と言う言葉は澪ちゃんに遮られた。
「可愛いよ。僕なんかよりずっと似合う」
「…!!!」
私をじっと見てそう言う澪ちゃんは、今までで一番かっこよかったり…。
「先輩?どうしたの?」
「…け」
「け?」
「敬語使いなさい…!!!」
「照れてる〜、可愛いですよ。先輩っ」