第4章 おそろい
照れたように言うと、パッと口から手が離れる。
「わかった?」
「い、いや…ないないないないないない!!!澪ちゃんのほうが可愛いって!!!!」
気恥ずかしさで自分でもビックリするくらいの大声が出た。
胸の前で手をぶんぶん振って否定する。
顔が熱い…。
「ほら。そうやって、照れて真っ赤になるの。可愛い」
「やめて澪ちゃん…」
「恥ずかしすぎるとちょっと涙目になるのも可愛い」
「やめてよ澪ちゃん…」
「頭がついていかなくて、言葉が全然出てこなくなるのも可愛い」
「澪ちゃん…!」
「可愛い。全部、可愛い」
「わ、わかった!!わかったよ!!私の負けだよ澪ちゃ…、澪!!」
顔が熱くて熱くて茹でダコになったみたいだ…。
思わず閉じていた目を開けると、満足そうに微笑む澪が目の前にいた。
「もう…いくらなんでもひどいよ澪」
「可愛いってのは事実だよ?事実を言って何が悪いの?」
くぅ…
私がいつも言ってることをそのまま…!!