第6章 親交
「神父、花を持って来ました!」
シスターが、花瓶に活けられたポインセチアを机に置く。
「殺風景な部屋に、丁度良いかと思って。」
ポインセチア、か………
「幸福を祈る、祝福、清純。」
「え?」
「ポインセチアの花言葉さ。美しい意味の花を持って来たな、シスター。」
花は、昔から大好きだった。
可憐に咲き誇る花は、天界でもあった。
一輪でも、数え切れない位の花でも、
生きようと伸びてゆく花は、大好きだった。
好きこそ物の上手となれで、花が好きだからこそ花の知識も深くなってきた。花言葉を言うのは、得意分野とも言える。
「良い意味ですね、まるで神父みたいです。」
「どういう事だ?」
「神様を祈る時、神父は必ず幸せのために祈っている、そんな感じがするんです。まるで、家族に向けて祈るような…」
シスターは、オソマツに似て、勘が鋭い。
家族のために祈っていたなんて………
何で分かったんだ?