第2章 ヘリオトロープの恋
クツクツと鍋の煮える音がする。
スープはもう少し煮込んだらおわり。後は仕上げに香草を刻んで散らすだけ。
メインのモモ肉のローストも後少しで焼き上がる。
サラダは小分けにしてあるから食べるときにドレッシングを掛けるだけ。
「うん。準備完了!」
後はそれぞれ盛り付けて、テーブルに並べるだけだ。
振り返ると味も素っ気もない室内に僅かばかりの家具があるばかり、といった部屋。
流石リヴァイ兵ちょ…さんだ。無駄な物は何一つ無い。
奥の部屋で椅子に腰掛けて書類を眺めているリヴァイさんを見てくすぐったくなる。
今日は初めてのお泊まりだ。
ドキドキしないといったら嘘に決まってる。
むしろお付き合い出来るとは思ってなかった。
それだけ雲の上の人だった。
「お前の頭で真剣に考えて答えろ」
リヴァイさんに告白されたのは一週間前。
執務室に呼び出され開口一番
言い放たれた。
何か悪いことでもしたのかしら、と全身に汗をかいている内にまた一言。
「エルミオレと付き合うつもりがあるか?」
自分の耳を疑った。
「返事は今直ぐでなくて良い。3日やる。その時までに考えておくように。では退室してよし。」
あっという間だった。
というか告白?いまのは告白だったの?と思うレベルに業務的だった。