第1章 百日紅の夢
薄暗い部屋。
蝋の燃える音。
揺れる影。
「いい加減素直になれ」
「ですから私はこんな事をするためにここに来た訳では無いので…」
縛られた腕がギリギリと痛い。
リヴァイ兵長の給仕だけだと聞いたのに何故私は縛られなければならないのだろうか。
確かにお給料は給仕だけにしてはおそろしく良い値段だったけれど処女を捧げなければならないなんて聞いていない。
「目をつぶっていれば直ぐに済む。オレに無駄な時間をとらせるな」
「いやいやいや無理ですってば!私そんなこと出来ません!」
ベッドに転がされ、上着の胸紐を解かれる。
たかが給仕にしては可愛い制服だとは思っていたけど…!
蝋が燃えるジジジ…という音がヤケに耳に障る。
「もう良い。黙れ。」
胸紐がすべて抜き取られ、素肌が露わになる。
「…無駄にデカいな」
「しみじみ見ないでよ!────っぁう!」
鎖骨を触れるか触れないかの微妙なタッチでなぞられて、全身が泡立つ。