第3章 俺の縄張り。
公園によ、お気に入りのベンチがあんだ。
俺の特等席っつぅヤツだな。
ところがよぉ、最近、気に食わねぇデケェ
ヤツが、居座ってんだよ。
飼い主はどこ行ってんだよ。
犬だけで、歩かせんじゃねーよ。
ったく。
え、俺?
…俺ァ、まだまだオルスバン頼まれ中だ。
出る場所塞がれた上に、コウジの奴、
爽やかに俺に頼んで行きやがる。
『カンタ!今日もオルスバンたのんだぞ!』
ってな。釘を刺されてんだな、クソッ。
だからよ、散歩が楽しみなんだよ、
なのによ、俺の特等席、とられたんだよ!
『ん、カンタ、どうした?』
俺は、コウジを盾にして、ベンチにいる奴を
睨んでやったぜ。
『あれ、あの犬…』
『ぺーすけ!』
どこからか、女の声がした。
ベンチの奴が、反応した、
って…ぺーすけ?
オイオイ。
アイツァ、ぺーすけ、っつう柄じゃねぇよ。
『あ、ユカさん。』
よく見てみると、コウジの片思いの女じゃねーかー。
コウジは、もう既に嬉しそう。
デレデレしてんじゃねーよ。