第2章 「始まりの時間」
理事長が驚いたような、笑うような目つきで見てきた。
こうなったらもう後には引けないっ!
『これで文句ないですよねっ!?理事長?』
正面から見据えて言った。
理「…あぁ。君は実に愉快だな!ハハハハッ、アハハハッ!」
『…じゃあさよなら!明日からE組に入るのでっ!』
バタンッ
笑っている理事長をおいて、私はドアを閉めた。
力いっぱい閉めたのは、せめてもの復讐だ。
まさか、これが理事長の思惑通りだとはまだ知りもしなかっ
たが…。
はぁぁー…つかれたぁ…
『…今日はもう帰ろっかな…』
明日からE組に行くんだから、今日はもういいっしょ!
E組って、どんなかな?
…また、いじめられないかな…?
ううん、きっと大丈夫。見ててね、お母さん!
明日から、新しい生活が始まるんだ!!
いつもは暗い気持ちでくぐる門が、今日は軽やかな足取りで
くぐることができた。