第4章 「勉強の時間」
そのあとまた理事長の話が始まって、まとめるとこんな感
じ。なんか、理事長の理想の教育のためにE組がある。でも
最近、E組の生徒が一般生徒に逆らっていて嫌だ、みたい
な感じ。(渚くんの事だったみたいだけど。)嫌だって…子ども
じゃん!
ん?なんか殺せんせー騒いでない?…わぁ!
渚「『ち、知恵の輪でテンパってる…』」
渚くんと見事にそろった。
理「…この世には、スピードで解決できない問題もあるんです
よ…」
殺せんせーを見下ろしながら言う理事長。
む、むかつく…
理「では私はこの辺で。」
ぎゃあ、こっち来る!とっさに渚くんと壁に退けた。
理「…ん?」
き、来た…目をそらしたら負けとばかりに、じっと睨み返す。
理「中間テスト期待してるよ、頑張りなさい。」
渚「あ…」
うわ…嫌味かそれ…むぅ…べぇぇーっ!
去っていく理事長の背中に、こっそり舌を向けた。
はぁ…帰ろ…。
『帰ろ、渚くん。』
渚「あ、うん…」
顔色が悪そうだった渚くんは、その日の帰り道、ずっと落ち
込んでいたように見えた。