第1章 マスターコース
音也「えっと…どういうこと?」
音也先輩の当たり前な質問に社長が答える。
早乙女「彼女は男性嫌いで、その上多重人格の持ち主ナノデース!」
社長はなにも脈絡のない二つの事実を言った。
…そう私は多重人格。
女優、高上舞としての最大の武器であり、
私の悩みの種でもある。
さっきみたいに上手くコントロール出来ないことも少なくない。
セシル「翔、タジュージンカクとは何ですか?」
沈黙を破るように、セシル先輩がたずねる。
翔「えっと、それはな…」
解放された翔先輩がセシル先輩に丁寧に教えている。
一度は冷たくなった空気だったけど、だんだんと明るさを取り戻した。
でも私の心は沈んだまま。
これからの不安が大きかった。
男性、しかも七人に囲まれての生活なんて…
想像もつかなかった。