第4章 GAME☆レン
カメラが回ると、そこは2人だけの世界のように感じる。
レン先輩がひざまずき、私の手をとり、そっと口をつける。
その動作が優雅過ぎて思わず見とれる。
レン「君が好きだ。」
真剣な眼差しに心を奪われた。
(それはレン先輩の本心なの?)
(本心ならいいのにな…)
(彼女が羨ましい。一途に愛されて…)
私の目からは涙がこぼれ落ちた。
(!!笑わなきゃ…笑わなきゃなのに……)
涙は止まらなかった。
(な…なんで!)
止まらないものは仕方がない。
(演技続けなきゃ。)
レン先輩が合わせてくれることを信じて
私は言葉を紡いだ。
舞「…なぜ。」