第7章 あなたと紡ぐ音☆セシル
もやもやとしている私にセシル先輩は言う。
セシル「舞の歌、下手というわけではありません。ただ足りないことがあるだけです!舞の歌に足りないのは、自信………それと愛です。」
私の手がセシル先輩の手に包まれる。
舞「あ……い?」
セシル「そうです。愛を込めればアナタの歌はもっと良くなるはずです!」
手にギュッと力がこもった。
セシル「好きな人を思って…もう一回歌ってみてください!アナタの歌が聞きたい…!」
そんなことをいわれるのは初めてで戸惑う。
でも嬉しくて目が熱くなった。
こんなにも私のことを真剣に考えてくれるなんて…期待に応えたい。
舞「わ…わかりました!」
頷くと、私は好きな人について考える。
(まだ…わからない。)
これが好きっていう…愛ってことかはわからない。
けど、大切にしたいと思う人ならいる。
それが好きっていう気持ちなのかな?
(よしっ!)
フゥと大きく息を吸い込んだ。