第6章 新しい力と悲しい再開
私「そうだね...」
ーイノセンス発動
天の御告ー
そっと刀を構える。
ティ「紅里...。なんでだよ...」
ティキ兄は苦しそうな声で言った。
表情は見えないけど、きっと泣きそうなんだって分かるくらい...
私「ティキ兄は今、なにしてるの?」
ティ「...明るくしたら?」
私「天の御告。」
刀はそのままで光の粒子をまとう。
見えたティキ兄は大人になっていて、額に聖痕を浮かべていた。
私「ティキ兄?嘘...でしょ...?」
ティ「それは俺のセリフ。一番強い元帥を殺せって命令なのに、それがお前だなんて、な。」
皮肉なものだ。
ポツリと言った言葉。
それは私にも重くのしかかった。
なんとも言えない空気が辺りを包む。
長い沈黙が続く。
いや、実際は数秒だったかも知れない。
ー天使の翼ー
刀も粒子も一気に消し、上へと飛ぶ。
ティキ兄も意外だったらしく、動けずにいた。
私「ティキ兄に殺されたくないし、殺したくないから、私はこの戦闘から逃げる。」
サヨウナラ。
そして、森を抜けた。