第12章 真相
「で、今日1日通してなんとなく
真相わかっただろ?」
二人はベットに腰掛けながら
話を続けていた。
「…うん。
今までここに来た女性の先生たち
初日からあんなことされてたんだね…。」
「キョーレツだろ。
だからみんなすぐ辞めちまうんだよ。
まぁお前だから言っちまうが、
あれはほとんどジルの指示だ。」
「えっ!?そ、そうなの!?
じゃあジル先生だけじゃなくて
みんな意図的にやってたってこと!?」
「ああ。まぁ中にはそうじゃないのもいるが。」
「あ…理事長とか?」
「ああ、あれは素だ。」
「えっと…あとアルバート先生は?」
「あれはハプニングだろ。
あいつはあんなこと出来るタマじゃねぇ。」
「あと…ルイ先生も違うでしょ?
ルイ先生はピアノ弾いてくれただけだし。」
「……」
シドが呆れた様子でアヤセを見下す。
「な、何…?」
「でもお前、そのピアノ演奏で
あんな状態になったんだろ?」
「そ、そうだけど……
えっ!?
えっ…も、もしかして…!!」
シドがニヤリとする。
「ああ。お前はあいつのやり方に
まんまとハマったんだよ。
どうやってるのか知らねぇけど、
あいつのピアノには
女をその気にさせてしまう
すげぇテクニックがあるんだよ。」
「う、うそ…」
「また弾いてやる、とか言われなかったか?」
「…言われた。」
「だろ?
あいつのピアノのせいで
辞めてく女は多かったな。
そういう意味じゃ
骨抜きにしてんのはあいつだな。
ったく、俺はいい被害者だってこと。」
「…衝撃が強すぎる…。
………!
ちょっと待って!
てことはシドも今まで来た女性教師に
そういうことしてたってこと!?」
シドはヤバい…という顔になる。
「いや、してねぇ。」
「うそ!」
「……」
「だってジル先生の指示なんでしょ。」
「…クソッ、墓穴掘った。」
観念したようにシドは口を開く。
「ああ、したよ。」
「し、信じらんない!!!」
「でもそんなん不可抗力だろ。
既婚者は免除で、独身者のみなんて、
女いる身にはかなりキツイ命令で、
俺だって良心が痛んだぜ。」
「…どこまでしたの…?」
アヤセはシドに詰め寄る。