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私立ウィスタリア学院~新米教師とイケメン教師たち

第10章 事の発端①


唇が離れる…。

「俺、お前のこと好きだけど。」

ニヤリとした口元だか、
とても優しい目つきのシドは
さらりと告げた。

「言ったら付き合ってくれんの?」

「…!」

アヤセの顔が紅潮する。
同時に胸も今まで以上に
ドキドキと高鳴り始める。

「いや、違ぇな…。」

(…え?)

「お前から聞いてきたんだから、
付き合うにに決まってるよな?」

「えっ…」

アヤセは耳まで赤くなる。

「そ、それはシドが言えって
言ったから…」

と言うもアヤセは目元を緩め、
フフッと笑った。

「何だよ。」

「…シドらしい…。

だってはめられた上に
他に選択肢はないんでしょ?」

シドは少し目を見開くと
アヤセと同じように目元を緩めフッと笑う。

「ああ。よくわかってるじゃねえか。
さすが俺が惚れた女だ。」

二人の想いが通じ合う。

アヤセはこの上ない幸せと嬉しさに
思わず顔をほころばせる。

その顔の両頬をシドは片手で
包み込むようにむにっと握る。

「だらしねぇ顔してんじゃねぇよ。
『私今とっても幸せです』って
顔に書いてあんぞ。」

シドはアヤセをからかいながら笑う。

「ひょっひょっと…!
ひょの言葉、ひょのまま
おはえしすゅるけど…!」

「あ?何言ってんだかさっぱり
わからねえよ。」

二人はフフッと笑い合い、
たまらなく高まってくる
同じ幸せを分かち合っていた。
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