第7章 Eternal Burgundy
俺は俺なりに
精一杯噛み砕いて飲み込んできた想いがあった
それでも
翔の悲痛なまでの泣き顔を見ていられなくて
酷いことをした
傷付けた
そんなの分かりきってるのに…
事が済んだ後
俺は逃げるように部屋を出て
昼過ぎに部屋に戻った時には既に翔の姿はなかった
『これで良かったんだ…』
心の中で何度もそう繰り返して…
「…もう時効だろ?」
「…は?」
「忘れよう…? 俺も忘れるから
お前とちゃんと向き合いたいんだよ
そしたら…」
そしたらリセット出来る、ってか…?
「…っ …んな、」
「…え?」
「ふざけんなっ…!
忘れようなんて簡単に言ってんじゃねぇよ…!
翔に俺の気持ちが分かるか…?
俺がっ… 俺がどんな想いでお前の事っ…!」
「潤…?」
もう… 限界だ……
「離れても… 俺を忘れて欲しくなかった…
憎まれてもいいから…
忘れるのだけは…
それだけは…!」
息をするのもままならない程
苦しくて
苦しくて
「頼むから…
翔の中の俺を消さないでくれ…
…何の為に悪魔に魂売ったと思ってんだ…」
俺は
「…好きなんだよ、お前の事が…!!
ずっと… ずっと…
好きだった…」