第6章 ブラコンですが、何か?
「うちも元々は暴走族で、鮫洲一家と名乗ってたんだ
硬派を売りにしてた鮫洲一家を面白く思わねぇ奴らも居てな
ある時、当時の総長が暴漢に襲われたんだ
勢力を失った鮫洲一家は衰退した
一人抜け、二人抜け…
最後に残った一人が、今のこの原チャリ集団の創立者ってわけだ
その人の名は… 鴨川かごめ」
「鴨川かごめ… って、この刺繍の人?!」
俺は特攻服の前身ごろをガバッと拡げた
「あぁ。
翔に譲り渡したその特攻服は、かごめさんから代々受け継がれてきた物だ」
「なんでそんなものを俺なんかに…」
「俺もあと一年で引退だ
その後を…翔に引き継いでもらいたい」
いやいやいや
重い!
重たすぎるでしょ、岡田先輩!!
「ちょっと待ってくださいよ!
剛さんは?!
健さんだっているじゃないッスか!」
「あー、俺、無理」
「俺も俺も!」
はぁー?!
なんなの、この人達!
「次期総長ッスよ! 良かったじゃないっスか、櫻葉センパイっ!」
「頼むで、櫻葉ちゃん!」
「総長が金髪とかカッケー!」
ちょっと待て
この人達は
揃いも揃って全員アホなのか?