第6章 ブラコンですが、何か?
「はぁぁ…ぁ」
「随分盛大な溜息ついてんね?
なんか悩み?」
昼休み
俺達の溜り場になってる旧校舎の空き教室で
健さんが俺の顔を覗き込んできた
「そーゆー訳じゃないんスけどね…」
あれから
あの日から
なんだかモヤモヤして
燻ってて
色々消化不良を起こしてるみたいだ
「櫻葉らしくないね?
撫でた肩が余計に撫でちゃうよ?」
一言余計だよ、健さん…
「パァーッと、どうよ?」
俺の目の前でヒラヒラさせてるのは
チケット…?
「なんスか? コレ」
「パー券だよ
剛はこーゆーの好きじゃないし
まさか岡田さん誘うわけにいかないし?
良かったら櫻葉、付き合ってよ
気晴らしになるかもよ?」
どんなパーティーなのかもわからずに
気晴らしになるならと、俺は健さんからチケットを受け取った
「今夜なんですね」
「そ。今夜、池袋のクラブで20時から
行ける?」
「…行きます」
この時の俺の判断が
良かったのか悪かったのか
パーティーにさえ参加しなければ
自分の想いに気付く事もなかったのに、