第6章 ブラコンですが、何か?
❦雅紀Side❦
しょーくんが高校合格と共に金髪になった
似合ってる
似合ってるけど
なんだか急に遠くへ行ってしまった感じで
ちょっと複雑だ
「高校デビューかぁ…」
自分が知らなかっただけで
実はしょーくん、そういう人達に憧れがあったのかも知れない
僕は荒っぽいことは好きじゃない
人に迷惑かける行為も…
決め付けるのは良くないけど
不良のイメージってどうしてもそんな感じ
しょーくんには
しょーくんだけには
そんな風になって欲しくなかったなぁ
小遣いの中から買った、お揃いのキーホルダーを握りしめた
僕の知らないところで
どうか変わって行ったりしないでね
立ち上がり、自分の部屋を出ると
向かいのしょーくんの部屋のドアをノックする
「しょーくん、入っていい?」
「いいぞ♡」
そっとドアを開けて中の様子を伺うと
ベッドにダイノジになって苦しそうにお腹を擦っていた
「食べ過ぎたの? 大丈夫ー?」
「調子に乗って食い過ぎた!
ところで何か用か?」
「あっ、そうだ。
あのね、これ、しょーくんに合格祝のプレゼント!」
ベッドの側に座り込んで
しょーくんの目の前にプレゼントを差し出した
「まぁーさぁーきぃぃぃーーー(泣)
兄ちゃん嬉しいぞ!」
…ほっとした。
嬉しいって言ってくれた
見た目は変わってもやっぱり中身は変わってないや。…って、えぇっ?!
突然しょーくんに頭ごとムギュウされて
ドキンと心臓が跳ねた