第6章 ブラコンですが、何か?
『一人で来るとかチビのくせに根性あんじゃん?』
違うんです
友達が誰一人付いてきてくれなかっただけなんです!
『俺のこと知らないわけじゃないよな?』
知ってます!
知ってますとも!!
先輩がボンタンのポケットから何かを取り出そうとした
やられる…!
俺はギュッと目を瞑った
― ポスッ ―
痛っ……く、ない…??
何かで優しく頭を叩かれたぽい
恐る恐る目を開けると
先輩が手にしていたのは
『ノート! 俺のノート!!』
手のひらサイズの俺のメモノート
『廊下に落ちてたから拾ったんだよ
これ、お前が書いたんだろ?』
『…はい、』
『なんで?』
『え…?』
『なんでそんな強くなりたいわけ?』
この3年間、強くなるためにはどうすればいいのか
自分なりに考えたり、ネットで調べたりして
それをこのノートにまとめていた
そのノートを落としたことさえ気付いてなかったけど
先輩が…拾ってくれたんだ
『守りたい人がいるんです』
『女?』
首をブンブンと横に振った
『弟、です』
俺は三年前の出来事を
先輩に話した