第5章 俺様天使!
❦ J Side❦
「おつかい?」
「そ。悪いけどさ、頼まれてくんねぇ?」
「別にいいですけど」
俺はリーダーに頼まれて、一ヶ月ぶりに精霊界に行く事になった
マサキに届け物をして欲しいんだって
「一人で、かぁ…
どうせならニノと一緒が良かったな…」
俺は重たい腰を上げて
天空を高く高く登った
あー、この辺りだったよな、ニノのカメラに気付いたの
精霊界の木製の扉を開けると
あの時と変わらぬ、一面の花畑
ここで…俺達は…
思い出して顔が火照る
ニノのやつ、優しかったよな
悪魔のくせに天使みたいな顔して、俺のこと…
胸がキュッと苦しくなる
俺、こんなにもニノの事が好きだったんだ
なぁ、ニノ
お前は今、何を想ってる?
俺のこと…忘れてないよな…?
森の中に入ると、スエズの泉が見えてきた
ここでマサキに放水されたっけ
赤い瞳のニノもカッコ良かったな…
泉の畔のお山小屋に着くと、俺はドアをノックした
― コンコン ―
ガチャリと鍵の開く音がして
「よう!マサキ、久しぶ…」
言いかけて、固まった
「待ってたよ、 J」
「ニノ…!」