第5章 俺様天使!
❦ニノSide❦
「居た、居た! ニノ!」
「なんか用ですか?」
「見ろよ、このグラフ!
今月の稼働率、いきなりトップだぞ、トップ!
ニノはやれば出来る子だと俺は信じてたよ!」
俺の手を握って、ショウさんが嬉しそうに目尻を下げる
「そりゃどうも…」
「最近お前ちょっと口調変わった?
一人称も『俺』だし?」
「そう?」
「そう! 絶対そうだって!
つーか、何食ってんの?」
「これ?
これは禁断の果実です」
「禁断の果実?
どう見てもクランベリーじゃんか」
「俺にとっては禁断の果実なんですよ」
ふふっ。と笑う俺を
ショウさんは不思議そうに見ている
「あっ、そうだ」
「ん?」
「マサキさんが、ショウに宜しく、って」
「お前っ!マサキに会ったのか!
て事はもしかして…」
「バッチリ見ちゃいましたよ、あの絵」
「…っ!」
ショウさんは
『誰にも言うなよ?』
と言って、俺に袖の下を渡してきた
金は無いより有るに越したことはないけど
今の俺にはまとまった休みの方が有り難い
そうすれば J ともっとゆっくり出来るのに…
どこまでも続く魔空を見つめた
この上に… J がいるんだよな…
J
また、お前に会いたいよ。