第5章 俺様天使!
❦ニノSide❦
「居た、居た! ニノ!」
はぁぁ…
また煩いのが来ましたよ
この人細かいんですよね
そんなにギッチギチにして疲れないんですかね?
「お前さぁ」
「はい、なんでしょう?」
「最近、稼働率悪くね?」
そう言って見せられたのは、悪魔の仕事の稼働率を示す折れ線グラフ
「まぁ、こんなもんじゃないですか?」
「馬鹿言うなって!
他の奴らのグラフ、見てみろよ!
お前が部屋に引き篭もってる間にこんだけ動いてんだぞ?」
「あー、ホントですねぇ」
「無関心かよ!」
ワタシはハッキリ言って、他人がどうであるとかそんな事に興味は無いんです
それに、やれと強制されればやりたくなくなる
ワタシが天邪鬼な事くらい、付き合い長いんだから分かると思うんですけどねぇ…
お小言を言うこの人は、大魔王の、ショウ
本来ならショウ様、と呼ぶべき所だけど
何故かワタシだけはショウさんと呼ぶことが許されていて
これって一種の才能だと思いません?
だってほら、悪魔って人に取り入るのが上手くないと仕事になんないでしょ?
そういう意味じゃ、ワタシは悪魔に向いてると思うんですけどね
「しっかり働いてくれよな! 頼むぞ、ニノ!」
そう言ってショウさんは
バタバタと慌ただしく部屋を出て行った
まったく、忙しない人ですよ