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びゅーてぃふる ❦ ふれぐらんす【気象系BL】

第2章 バーチャルな君と僕


僕のメールBOXには
サトシ君からのメールがたくさんあった



『体調でも悪いの?』

『カズちゃん、大丈夫ですか?』

『元気にしてますか?』



どれを見ても、僕を心配するものばかり…


「あ…」



『もう一度、僕と会ってくれませんか
今度は
智とカズナリ君として

明日の夕方6時
今日と同じあの緑地公園のベンチで
待ってます

智』



これ…昨日のメールだ

"明日の夕方6時"


「…え!?」


今は7時45分…





「和也!?」

「すぐ戻るから!」


僕はパジャマのまま家を飛び出して
緑地公園まで走った



「はぁ…はぁ…」



サトシ君…



「サトシ君っはぁ…サトシ君…っ」



居て…

どうか居てくださいっ



「サトシ君…っお願いっ」



僕もう逃げないから





「…っサトシ君!!」


公園に着くや否や、僕は叫んだ
今はもう8時を過ぎちゃったと思うけど


「はぁ…っん…はぁ…サトシ君!」


居ることを信じて叫んだ


「サトシ君!来たよ!…はぁ…返事して!」


何度も、何度も
でも…いくら叫んでも声は返って来なかった


「っ…はぁ…サトシ…君」


ダメか…
しんと静まり返った公園のベンチに、泣きそうになりながら歩み寄る

サトシ君と一緒に座ったベンチ…


「……え…」


外灯に照らされたそこには…見たことのあるメガネ
それはサトシ君の伊達メガネだった

居たんだ…ここに…
僕と座ったこのベンチに…


そっとその伊達メガネを手に取るとベンチに腰掛けた


「…会いたかったなぁ…」


本当に…会いたかった


そうサトシ君を思い浮かべた途端、涙が溢れた

ぽろっぽろっと落ちるそれは
大切に握った伊達メガネのレンズを濡らす


「サトシ君も泣いてるの…?」


そんなわけないか…


落ち着くまでそこで泣いて…
泣き止んできた頃、ゆっくり立ち上がり
とぼとぼ家に帰った
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