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びゅーてぃふる ❦ ふれぐらんす【気象系BL】

第2章 バーチャルな君と僕


「わぁっ!」

「うぉっ!」


ビデオカメラを小脇に抱え
部屋に戻ろうとした時
リビングから出てきた櫻井さんに鉢合わせて
驚いて思わずのけ反り、尻餅をついた

ビデオカメラは…おー、セーフ…


「びっくりしたぁ…」

「大丈夫ですか?!
すみません、お兄さん
僕が急にドア開けちゃったから、」

「いえ、大丈夫です」


立ち上がろうとすると
櫻井さんの手が目の前にスッと伸びてきて


「捕まって?」

「いやっ、ホント大丈夫ですからっ…!」


その手を取ることなく立ち上がると
櫻井さんはフッと眉をハの字に下げた

あ…気ぃ悪くさせちゃったかな…


「あっ、あの
その『お兄さん』っての
なんかこそばゆいってゆーか…」

「じゃあ…
智さん?
智…君?」

「どっちでも
櫻井さんの呼びやすい方で」

「なら、『智くん』で」


ニコッと微笑う櫻井さんは
まるでアイドルのようにキラキラしてて…


「智君も僕のこと『翔』って呼んでください
同い年…ですよね?」

「あぁ、うん
じゃあ…翔、君」

「なんか嬉しいな、俺」

「えっ…?」


嬉しい?
何が?


頭の中に?マークが並ぶ


「あれ?
翔さん、兄貴
何やってんの?」


ドアからヒョイと顔を覗かせた潤が
不思議そうに僕と櫻…翔君を見ていた


「じゃあ、僕はこれで。
潤。次の模試、頑張れよ?」

「任せてよ
絶対イイ点取ってやるから」


潤の髪をクシャッと撫でて
翔君は帰って行った

ホント、翔君て爽やかな人だよなぁ


…僕とは違って。
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