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[名探偵コナン]マティーニにお砂糖を

第24章 新たな共犯者/コナン、灰原


先日コナンくんに話した内容をもう一度。哀ちゃんは特に口を挟むでもなく頷きながら聞いてくれた。

「じゃああなたは解毒薬の完成のために私達のことを組織には言わないってこと?」
「だって、もし組織に言ったらあなた達殺されちゃうんでしょ?それが分かってるのに告げ口したりしないって!…それにあの薬の貴重なサンプルだし。」
「あら、そっちが本音なんじゃない?」
「ふふ、そうかも。」

いつの間にか哀ちゃんの顔には笑顔が見えた。
先ほどまでこちらの様子を伺っていたコナンくんは、大丈夫だと判断したのか小説に目を落としている。

「コナンくんから聞いたかもしれないけど、組織の情報をあなた達に流すことは出来ない。それが薬に関することでも。」
「そうね、それは懸命な判断だと思うわ。」
哀ちゃんはおもむろにランドセルを開け、紙の束を取り出した。最後にその上にCD-Rを1枚乗せる。

「私が今まで研究した解毒薬の資料。参考になるか分からないけど。」
薬のデータが手元にない状態で作ったから、とこちらへ渡されたそれにパラパラと目を通す。

「これ、貰っていいの?」
「そのつもりで持って来たもの。私が情報を渡す分には問題ないんでしょう?」
「そうだけど…。」
ちらりと横目でコナンくんを見るが、未だ小説に没頭している。
どうしたらいいか意見をもらおうと思ったのに。

「それを元にして何度か試作品を作ってはいるの。」
私が考えあぐねていると、哀ちゃんが再び口を開く。
「1度は元の姿に戻れるんだけど、どれも数時間でまた縮んでしまうのよね。」
薬のデータを持っているあなたならすぐにでも完成させてくれそうだから受け取って、と言われれば貰わないわけにはいかない。
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