The result of revenge [ディアラバ]
第4章 Feelings~感情~
「痛っ...」
私の腕を掴み、壁に押え付ける
「オマエ今何て言ったんだよ」
「アヤト君怖いよ...」
スバル君はこんな事しなかった
「......。」
今のこんな状況で、アヤト君に何を言っても、伝わるとは思えなかった
「ちっ...だんまりかよ」
「なんなら今ここでもう一回オマエの血吸って、オレ様が一番だって事教えてやってもいいんだぜ?」
目が本気だ...どうしよう...力で押し返せる訳もなく...
「...っ、何で吸血になるの...」
怖くて目を瞑った次の瞬間、
「アヤト!そこで何をしているのです!」
レイジさんの声、来てくれたんだ
「げ、もう来やがったのかよ...」
レイジさんの声が聞こえると、アヤト君は私を掴んでいた手を解き、一瞬にして居なくなった
「アヤト君......」
私はその場で立ちすくむ
「嫌な予感は的中ですね」
レイジさんは、私が部屋を出て行った後、本を読んでいると、何故か嫌な予感がするからと、わざわざ見に来たのだと言う
「いつも本当にすみません..私全然駄目ですね...」
悔しい...自分の身も自分で守れないなんて、きっとレイジさんも疲れちゃうよね...
「貴女も貴女ですが、うちの兄弟達もよっぽど変ですからね」
けど、あのままアヤト君が立ち去らなかったら、もっと大変だった...そう思うと自然に震えてしまう
「まだ震えていますね」
そう言いながら私の肩に触れる
「最初は普通に喋れていたと思ったんですけど...」
「だから、変だと言ったでしょう?もっとも私も例外ではないのですけどね」
「そんな...、けど私はレイジさんの側にいるって決めた事を後悔してませんから!」
だから、そんなに哀しそうな顔をしないで、欲しい
「そうですか、そんなに大げさに言わなくても、ちゃんと伝わってますから大丈夫ですよ」
〝行きましょう〟
と、言っているかの様にレイジさんは私の横を通り過ぎ、バスルームの方へと歩いて行った
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湯船につかり、一息ついていた
この変な身体の感覚にも慣れてきて
新しい自分がどんどん確立されていく、最初は戸惑いや憤りばかりが頭の中を支配していたが、レイジさんに出会ってから、新しい感覚や感情と言われる部分が確実に育っていっている
私は、この先もこんな感じで続いて行くのだと思っていた...
