The result of revenge [ディアラバ]
第13章 It is filled~満たされる~
「…ちょっと野暮用がありまして、ね。」
「野暮用…ですか…」
「ええ。」
「はぁ…。」
淡々と返事をされ、拍子抜けした私はそれ以上返す言葉が見つからなかった…
「それにしても貴女、何です?その格好は…なんというか…呆れて何も言えませんね」
「…だって、私の服がどこにも──」
「あぁ、それでしたら使い魔に頼んで新しいモノを手配している所ですよ。」
「どうして、ですか?」
「全く貴女って人は、細かい事は何も覚えて居ないのですね…」
細かい事??ぐるぐると私の身に起きた事を初めから思い出す…
「おや?その様子は、今まさに思い出している所でしょうか…耳から頬…火照っているのが良く分かりますよ」
レイジさんが冷やかしているのを他所に、私は細かく色々と思い出した…
そっか、そうだ…よね。
「そうです。ユウラが着ていた服には、勿体ない位に血が染み付いていましたからね、さすがにあのままでは屋敷の外へは連れ出せません。」
私が思い出したタイミングと同時に、レイジさんが答えた
「ですよ…ね。」
色々な事が嬉しくて、浮かれて、昂っている私はようやく落ち着き、ちゃんとレイジさんを見つめ呼んだ
「レイジさん…」
「なんです?」
私から少し視線を外していたレイジさんと視線が絡まると、窓から差し込んだ薄暗い光に照らされたレイジさんの顔が、とても美しく見えた。
あまりにも綺麗で、愛おしくて、触れる事さえ戸惑いそうな想いを抑える
「私、レイジさんと…その……。」
「ええ。ユウラが今想像している通りです。貴女は正式に私のモノとなり、私もまた貴女のモノになったのです。月蝕の夜に魔界で…と言うのが、完璧主義の私にとっては少しひっかかりますがね。」
淡々とそのままの言葉を紡いだレイジさんは、満足そうに私の側から離れると、部屋のドアに向かって歩き出す
ちゃんと現実だった。
少し冷たい言い回しだったけれど、精一杯の今の私とレイジさんの状況を表す最も正しい答え
少し黙ってその幸せにひたるように目を閉じていると
「ほら、こちらに早く着替えなさい。」
そう言って、目の前に差し出された新しい服
「わ、可愛い!」
「そう言うと思いましたよ。本当でしたらこの様な服は私の好みでは無いのですが、今は特別です。」